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2. スタッフの動線を改善し、診療効率を向上させる

unonaoki


クリニックのレイアウトは、診療の効率やスタッフのストレスレベルに直接影響を与える重要な要素です。特に古いレイアウトでは、動線が非効率で、スタッフが診療に必要な動作や移動に多くの時間を費やすことが多くなります。


この非効率性は、結果として診療時間の延長や患者の待ち時間の増加を招き、クリニック全体のパフォーマンスを低下させる原因となります。


動線の最適化による効率向上

動線とは、スタッフが業務を行う際の移動経路や作業スペースの配置を指し、これが適切でないと、無駄な動きが多くなり、作業の流れが途切れがちになります。ある研究では、動線を最適化し、スタッフの動きを最小限に抑える配置にすることで、診療効率が最大25%向上することが示されています【1】。


この効率の向上は、スタッフが治療に集中しやすくなるだけでなく、患者の待ち時間を短縮するという効果もあり、クリニックの全体的なサービス向上につながります。


ヒューマンファクターと動線設計

ヒューマンファクターの観点からも、動線設計は医療現場での業務効率に大きな影響を及ぼします。例えば、狭い通路や複雑なレイアウトはスタッフの移動に余計な時間を要し、結果的に患者一人当たりの治療時間が長引くことがあります。


一方、動線が整理され、診療室や備品の配置が適切に整えられているクリニックでは、スタッフが無駄な動作を減らして迅速に対応できるため、診療プロセス全体がスムーズに流れるようになります【2】。


ストレス軽減とスタッフの満足度向上

さらに、動線の不整備はスタッフの肉体的な疲労感や精神的なストレスを増大させる原因ともなります。無駄な移動や反復作業が続くと、スタッフは身体的な負担を感じやすくなり、それが長期的にはバーンアウトの一因ともなります。


研究では、動線の最適化によりスタッフの移動が削減され、肉体的な疲労が軽減することで、仕事の満足度が高まることが示されています【3】。


このような環境改善は、スタッフのパフォーマンス向上だけでなく、長期的な人材の維持にも貢献します。


患者体験の向上

スタッフの動線が効率的であることは、患者の待ち時間にも直接的な影響を与えます。無駄な移動や手間が減ることで、患者一人当たりの診療時間が短縮され、待ち時間が減ることで患者満足度も向上します。

特に、多くの患者が来院する繁忙時間帯において、効率的な動線は診療の流れを円滑に保つための重要な要素です。


これらの科学的および心理的根拠から、クリニックのレイアウトと動線を改善することは、診療効率の向上、スタッフのストレス軽減、そして患者の待ち時間短縮につながる重要な取り組みであり、クリニックの運営を成功に導く鍵となります。


【1】Shepley, M. M., & Davies, K. (2003). Nursing unit configuration and its impact on efficiency. Journal of Nursing Administration, 33(12), 623-631.

【2】Joseph, A., & Rashid, M. (2007). The architecture of safety: Hospital design. Current Opinion in Critical Care, 13(6), 714-719.

【3】Hendrich, A., Chow, M. P., Skierczynski, B. A., & Lu, Z. (2008). A 36-hospital time and motion study: How do medical-surgical nurses spend their time? The Permanente Journal, 12(3), 25-34.

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