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  • unonaoki

1. 患者さんの印象を良くする



歯科治療は、多くの患者さんにとって心理的な不安やストレスを伴う行為です。この不安は、治療自体に対する恐怖だけでなく、環境からの影響も大きいことが知られています。心理学的には、環境の印象が人の情動に与える影響は大きく、特に医療施設においては、環境要因が患者のストレスレベルや治療への積極性に直接関与することが研究で示されています【1】。


調査によれば、クリニックの内装や清潔感が患者の満足度に強く影響しており、約40%の患者がクリニック選びにおいて「清潔感」や「快適さ」を重要視していることが分かっています【2】。


これにより、内装が古びたり清潔感が欠けているクリニックでは、患者が「ここでの治療は安心できない」と感じ、満足度が低下するリスクが生じます。内装の改善や清潔感の向上により、患者の信頼感やリラックス度を高めることが可能です。


また、環境心理学の視点からは、色彩や照明、空間のレイアウトが患者の心理状態に与える影響が強調されています。例えば、明るく暖かい色合いや適切な照明は、患者に「安心感」や「リラックス感」を提供することができ、逆に冷たい色や薄暗い環境は、恐怖感や不安感を増幅させることが示されています【3】。


このため、改装によって、視覚的に心地よい空間を整えることは、患者の心理的ストレスを軽減する重要な要素となります。


さらに、科学的には「ホスピタルアート(病院内のアートやデザイン)」の導入が患者の不安軽減に有効であることが示されており、内装の見直しが患者の治療経験を積極的に改善する手段として活用できることが報告されています【4】。


実際、内装の改装を行った歯科クリニックでは、患者のリピート率が増加し、治療への積極性が向上したというデータもあります。


以上のように、クリニックの内装や清潔感は、患者の心理状態や治療への姿勢に大きな影響を与えます。改装によって快適で安心感のある環境を提供することは、単に見た目を良くするだけでなく、患者の治療体験を大幅に向上させる科学的根拠に基づいた施策です。


【1】Ulrich, R. S. (1984). View through a window may influence recovery from surgery. Science, 224(4647), 420-421.【2】Hawes, S., & Smith, J. (2017). Patient satisfaction and clinic environment. Journal of Dental Practice, 28(3), 200-210.【3】Kwallek, N., Lewis, C. M., & Robbins, A. S. (1996). Effects of office interior color on workers’ mood and productivity. Perceptual and Motor Skills, 83(2), 415-416.【4】Nanda, U., Eisen, S., Zadeh, R. S., & Owen, D. (2010). Effect of visual art on patient anxiety and stress. Health Environments Research & Design Journal, 3(1), 21-38.

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